アメリカの年金(Pension)

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アメリカの年金は大きく分けて2つに分けられます。1つは国が管轄するSocial Securityで、もう1つは会社が提供する401(k)という積み立て年金制度です。Social Securityは日本でいう「年金」、401Kは「退職金」と同じです。私は、まだ現役中の現役なので、Social Securityや401Kに関しては体験してないことがほとんどですが、学習したことを将来のために記事にしておきます。

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ソーシャルセキュリティー

受給資格

ソーシャルセキュリティを受け取るには、アメリカで「40クレジット分」の労働を提供していることが条件になります。1年間働くと4クレジットになるので、10年働けば受給資格を得られます。

受給年齢

ソーシャルセキュリティの受給額は、受給開始年齢に大きく左右されます。1960年以後の生まれなら、67才以降に受給を開始すると満額もらえます。1937年以前生まれの満額受給年齢は65才で、それ以後の生まれから満額受給年齢が2ヶ月単位で細かく設定されてます。1960年以後の生まれは、62才から受給を開始できます。ただし、62歳になるとSocial Security Office から連絡がある訳ではなく、あくまでも受給者が申請を行って初めて受給が開始されることになります。また、満額受給年齢に達する前に受給を始めると、受給額が減額され、最大減額率は約25パーセントにもなるので要注意です。

受給額

ソーシャルセキュリティの受給額は、35年間の収入の平均で算出されます。日本人の場合は、人生の一時期にアメリカで働いたとしても、35年間に満たないケースも多いでしょう。労働が35年に満たない場合は、収入のなかった時期はゼロとしてカウントされますので、受給額が減ぜられます。ただし、日米社会保障協定が2005年10月1日に発効され、日本の企業からアメリカ合衆国にある企業へ派遣・出向されるなどにより、本来であれば日米両国の年金・医療保険制度に加入する義務が生じる場合でも、いずれか一方の国の年金・医療保険制度に加入すればよいこととなります。これにより、アメリカ合衆国の年金制度の加入期間が1年6か月(6クレジット)以上ある方が、日米両国の年金制度の加入期間を通算して(足して)10年以上になる場合は、アメリカ合衆国の年金制度から老齢年金を受けることができます。または、日米両国の年金制度の加入期間を通算して25年以上になる場合は、日本の年金制度から老齢年金を受けることができます。詳しくは、日本大使館のサイトをご確認ください。

申請手続き

ソーシャルセキュリティーは、61歳と9ヶ月から申請できます。ただし、申請してから4ヶ月以上先に年金の支払いをスタートさせることはできません。

申請についてはお近くのソーシャルセキュリティーオフィスの窓口でもできますが、オンラインで申請で申請が可能です。必要情報を入力していき、15分程度で手続きが完了します。手続きが完了すると必要書類のリストが表示されますので、その書類をソーシャルセキュリティーに提出します。

必要情報
  • 基本情報:名前、ソーシャルセキュリティーナンバー、性別、生年月日
  • 雇用情報:職業、自営業、軍事サービス、政府機関での仕事、職歴
  • ベネフィットに関する質問:基礎年金を受給し始めたい日、既に受給している他のベネフィット

米国外で老齢年金を受給する場合

30日間続けて米国外に滞在する方は、その後米国に30日間再度滞在するまでの間は米国外滞在者として見なされます。しかし、日本に滞在する場合日米間で協定があるため、アメリカ市民権の有無に拘らず老齢年金や障害年金をその間受給することができます。もし米国外に居住し続ける場合、ソーシャルセキュリティーオフィスから現在も公的年金に該当しているかどうかを確かめる質問書が送られてくるので、記入して送り返さなければなりません。返信しなければ、支払いが止められてしまいます。なお、メディケアは米国外では適用されません。

 

確定拠出型企業年金(401K)

アメリカの会社では原則日本の会社のように会社が積み立てている確定給付型企業年金はありません。基本的には確定拠出型企業年金(401Kなど)で毎月積み立てて老後に備えるというのが一般的です。

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  • 確定給付型企業年金:企業年金の原資が勤続年数等に応じた一定の計算式であらかじめ決まっているタイプ。会社にとっては最も負担が重い企業年金ですが、社員の立場としては、いくら退職金がもらえるのかが明確なため安心。
  • 確定拠出型企業年金は、会社が勤続年数や職位等に応じ、毎月決まった額の原資を会社または社員が拠出し、社員はこれを自己責任で運用

ただし、会社によっては追加のBenefitがある場合があります。例えば、自分が給料の6%を毎月積み立てるとした場合、それに会社が数パーセントを追加で積み立ててくれるというものです。これを「マッチング」と言います。私の会社ではマッチングとして4%追加してくれて合計で10%程度となります。年収で1000万以上あれば、年に100万近くを積み立てることになります。

401Kの拠出額制限

401Kは税法で上限が決まっており、毎年のインフレ率を勘案して改訂されます。2018年は年間$18,500に設定されています。

 

Traditional 410K vs Roth 401K

さらに制度には、PreTax / Roth 401(K) / Traditional After-Tax といったものがあります。入社時にこれらをどう設定するかを決める必要が出てきます(後でも変えることもできます)。

Traditional 401(K)

いわゆる企業型 401(K)。Pre Tax 401(K) とも呼ばれていたりします。401(K) 口座への拠出は給料から天引きによって行われるわけですが、天引きされた残りの給料に対してのみFederal Income Taxがかかるので、社員にとっては所得税が安くなるメリットがあります。将来年金を受け取るときには税金がかかるのですが、一般的な人ならば、その頃には他の収入があまりないので、かかっても多くの所得がある現役時代に課税されるより良いわけです(Tax Deferred といいます)。 ただし、途中59.5歳になる前にどうしてもお金が必要になって引き落とす際には、引き落とす額に10パーセントのペナルティーを払う必要があります。

Roth 401(K)

これは Traditional 401(K) と違い、拠出額を非課税扱いにすることはできません。しかし、将来年金を受け取るときに全額非課税扱いとなります。老後に今よりも収入が多くあるという人は、先に課税されておいた方が有利です。

 

投資運用

これに加えて401kによる投資運用があります。アメリカ国債とかにすれば安定しますし、ギャンブル好きな人はチャレンジな倍率の投資信託や株で運用成績がよければ額面が増え、逆に将来の資産を失うリスクを高めます。私はギャンブルもやらないどちらかというとリスクを取って何かをするタイプではないので、堅実に払えるものは先に払い、運用も超安定のもの(それでも利子で2%くらい)を選択しています。

解約の場合の税金

会社を辞めた人が401(k) プランを引き出して自分の銀行口座に入金すると、その時点でまず20%の源泉徴収税(連邦)が課されます。解約者は確定申告書に分配額を所得として報告し、所得税を計算して20%の源泉徴収税との差額の税金を精算する義務があります。所得税は10%~35%の6段階の連邦税と州税であり、さらに解約者の年齢が59.5歳未満の場合は通常の所得税に加えて10%の早期分配税(連邦)が課されます。ただし、口座移し替え(ロールオーバー)、全障害のよる退職、多額な医療費への支払いなどの場合は、10%早期分配税の回避が認められます。

 

日本に帰国するときはどうするの?

ロールオーバー(口座移し替え)による税金回避

アメリカ国内で転職する場合は、転職先の会社の401(k)プランにロールオーバー(口座移し替え)すれば、年金の分配とは見なされず所得税の課税を免れることができますが、日本へ帰国する場合にはどのようにするのが一番税金を払わなくてよいのでしょうか?色々なサイト情報を見ると、一番良いのは、日本へ帰国する前に401(k)プランをIRA へロールオーバーすることが、通常の所得税および10%早期分配税の課税を回避する最善の方法とのことです。この方法では、帰国後、退職基金をアメリカの金融機関にIRA口座の形で残していくことになります。つまり、アメリカの銀行口座は維持しておく必要があります。

IRA口座は、401(k) プランと同様、投資選択権が与えられ、投資運用ができますが、自分で投資リスクを負います。IRA口座の収益は、毎月無税で加算されていきます。

日米租税条約による年金非課税措置

IRA口座からの引き出しは、個人退職基金からの年金分配として位置付けられます。IRA口座からの分配は、通常、所得税の対象となります。「非居住外国人」に支払われる分配は30%の源泉徴収税が課されます。アメリカの税法上「非居住外国人」である日本在住の日本人がアメリカから退職年金を受け取る場合は、日米租税条約第17条が適用されて、アメリカの源泉徴収税が免除されます。そして、居住国である日本での課税のみとなります。すなわち、年金の分配とされるIRA口座からの引き出しは、アメリカでの税金を免れることができるのです。

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