レイオフと解雇(Layoff or fire)

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

VISAを取って、倍率の高い面接と英語の面接を苦労して勝ち取った採用で、やっとアメリカで働ける夢が叶った数年後、組織編成に伴いポジションを失う、なんていうことは日常茶飯事、それがアメリカで働くということです。日本と比較すると雇用は圧倒的に守られていません。人員削減と称して簡単に人を削減しますし、テレビやドラマで見るような「明日から来なくてよい」というのも投資会社等の会社じゃなくても状況等によっては十分にありえます。実力や実績を出しているから人員削減の対象から外れるというのはあまりありません。

英会話

組織の改編の際には、そのポジションが無くなることを人事から通知され、ある一定期間を設けられ、社内の違うポジンションに機会を探したり、 退職し、社外のポジンションを探したりします。でも、これは所謂「Fire(解雇)」とは違い、「レイオフ(Layoff)」と言います。私も現在のアメリカの会社で数々のLayoffやFireを見てきました。これは日本にいるときには想像できない頻度で起きています。アメリカの会社で働く限り、雇用のリスクは常にあります。明日には今の仕事が無い可能性だってあるのです。アメリカで働く夢を見るだけでなく、現実を知ることも重要です。

LayoffとFireの違いがなぜ重要か?

LayoffとFireはまったく違うと言ってよいほど、違いがあります。大きなところでは、

  • Layoffは会社都合の要素が強くありますが、Fireは何か失態や違反を犯して即日解雇を意味します。当然、Fireのほうが次のポジション採用で不利に働くことが多いですが、一般的にLayoffは会社都合によるものが大きいと認識されているので、そこまで大きなNegativeはありません。
  • Fire(解雇)されると会社からの退職に伴うBenefitや保障等は一切ありません。
  • 失業補償の対象となるかについても違いが出てきます。

残念ながら、先にも言ったように優秀な社員でもLayoffされますし、優秀な社員でも解雇されます。どちらのプロセスも論理的でもなく、またそんなによく考えられたものでもありません。日本と同じように一般的には高給取りが対象となり、安い給料のものがKeepされるというのは考えられることではありますが、どうしてあの優秀な人が?というように、納得がいくようなものではないのが大半です。その1つの理由として、ManagementのLayoff等の決断はとても迅速に行われるためです。

Layoffされたのに、「Fire」という言葉を使っては絶対にいけません。不運が重なり雇用関係が終わっただけなのです。間違ったタイミングで間違った場所で働いてしまっただけなのです。逆に「Fire」されたのに、「Layoff」という言葉を使ってもいけません。次の職場でバックグラウンドチェックが行われた際に、すぐにその事実が明るみになります。嘘をつく人間を誰が雇いたいと思いますか?

Layoffとは何か?

LayoffはFire(解雇)とは異なります。一般的に、Layoffは雇われる側のせいではなく、雇っている側のせいと認識されているからです。Layoffはしばし「Reduction in Force」とか「Down sizing」なんて言い方もします。そして、一人の従業員がLayoffされるというよりも複数の従業員が職を失うことが多いです。Managementは「Right-sizing」なんていう言葉を使ってその必要性を正当化させようとしますが、その中身は、企業都合による人員削減です。

そのパターンも以下に示すように色々な例がありますが、簡単にいうと会社都合でどのようなパターンでもLayoffは存在するということです。

  • 人員リソースが多すぎるとか、投資効果が見えないとして特定のグループや部全体の従業員がLayoffの対象となることがあります。
  • 特定の小規模チームや範囲を絞ってLayoffが行われることもあります。
  • M&Aの企業買収に伴い、売られた側の会社の従業員が対象になることがあります。買った側の会社には既に同じような組織を持っていることが多いからです。M&Aはアメリカでは非常に活発で、このようなLayoffは良く見ます。
  • 製造所や営業所等などの完全な閉鎖に伴い、従業員全員がLayoffされることもあります。
Layoffとは

Layoffは、会社側の財政健全化のため、または新しい戦略に伴う人員削減で行われることが多い

スタディサプリENGLISH

Layoffに伴って、我々のできることは何もありません。大抵の場合は部門で10%から20%のResourceカットという指示がでるため、給料の高い上級管理者が選ばれる可能性が高くなります。Layoffが起きるとこのような情報や噂は一瞬のうちに人々に知れ渡り、当然のことながらPanicが起きます。従業員は会社を信用しなくなり、そしてPerformanceの低下に繋がります。当然、Managerとして求められるのは、Direct Reportおよびチームメンバーの指揮を落とさないこと、Daily BusinessにImpactが無いようにすること、そして彼らの不安を和らげることが求められます。

Layoffされたら

Severance Packageを要求する

Layoffに直面してしまったら仕方ありません。避ける手立てはありません。怒りや不安など様々な感情が押し寄せてくると思いますが、まずは冷静になり、次のステップを考える必要があります。特に、会社からのSeverance Packageと言いますが、日本で言うと、Layoffに伴う会社からの補償内容をPackage化したものを要求そして確認することが重要です。

会社や状況によって異なりますが、数週間、数か月の給料補填、数週間、数か月の医療保険の利用、次の職場を探すための斡旋などが含まれます。なお、私の会社では、この補償期間や補償額はNon negotiableです。まったく聞きいれません。最悪の場合、このPackageを渡さないという強気な態度を取ります。会社側からすると交渉事により追加の作業が増えるため、これを避ける意味で交渉は取り合いません。有給が残っている場合などは、通常は会社が買い上げる形になります。

次の会社のInterviewでなんと答えるか?

Layoffは、怒りや悲しみなどがあり感情的になりやすいものですが、次の会社のInterviewで、前の会社でされたLayoffの怒りや悲しみを話してもしょうがありません。そのような発言はマイナスなイメージを持たれるでしょう。感情的にならず、Layoffについて論理的な説明をします。

Layoffを次の会社のInterviewで説明する

会社の新製品の売り上げが思った通りに伸びず、競合会社の勢いが増してきていた。自分の部門ではこの新製品の開発を担当しており、私は主力メンバーだったため、ビジネス戦略の変更に伴い私の部門から3人のLayoff候補が選定され、私が選ばれた。当然悲しい気持ち、残念な気持ちは当時持っていたが、今はただ、前の会社によって得られた経験や知識を今度はこちらの会社で生かすことで、こちらの会社の新製品開発能力を向上させることができると考えている。

例えば、このような感じで答えれば、会社側のInterviewerも納得するでしょう。

Fire(解雇)とは何か?

期待したPerformanceが出てない、Compliance的な問題があった場合などの理由などにより雇用関係が即日的に終了することを言います。アメリカでは大抵の場合、理由等を告げられずに解雇することがほとんどです。アメリカにおいて雇用関係は随意契約(Employee at will)と呼ばれる期間の定めのない雇用契約であり、雇用者・被用者のどちらからでも・いつでも・いかなる理由でも・理由がなくても自由に解約できるのです。

アメリカの雇用関係は随意契約

期間の定めのない雇用契約を指し、雇用者・被用者のどちらからでも・いつでも・いかなる理由でも・理由がなくても自由に解約できる。

ただし、人種的によるもの、年齢、または企業のコンプライアンス違反を告発した等の理由により、解雇された場合には違法な解雇となります。この場合は、弁護士等を立てて労働法(Employment law)に基づいて会社に対して訴えをすることが考えられますが、時間は掛かります。

白人に対する逆差別

同じ能力、同じ経験を要する、白人の従業員と有色人種の従業員が居た場合、どちらのほうがLayoffの対象になりやすいと思いますか?

答えは、白人の従業員です。

意外に思うかもしれませんが、GlobalにBusinessを展開している会社やアメリカの認知が高い会社はこの傾向がより顕著だと思います。黒人やアジア人をLayoffすると社会問題になりやすく、アメリカ国民の批判の対象となりうるからです。一方で、白人がLayoffされても、一般的に白人はアメリカではMajorityであり、黒人やアジア人より守られていると思われていることから、あまりマスコミも取り上げません。会社側もこれらの事実を知っていることから、多少能力が劣るとしても白人側のほうがLayoffの対象になりやすいというのが今のアメリカの現状です。完全な白人に対する逆差別です。だからと言って、日本人は大丈夫と言うことはありません。

ネイティブイングリッシュ
LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket