アメリカの会社での成果評価

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アメリカ、日本の会社に関わらず、どの世界であっても人を評価するというのは難しく、またその評価が本当に正しいかどうかは誰にもわかりません。しかしながら、People Managerにとっては自分のチームの成績評価は最も重要な仕事で、最も神経を使う仕事であり、公平に評価することが求められます。特にその人の評価を下げなければいけないとか、Positionを下げるとなると、その人からPush Back(反発)や理由の説明など、準備しなければいけないこと、考慮しなければいけないことが多数あります。アメリカの会社での人事プロセスや評価は日本の会社と大きな差はありませんが、日本ほどJob Securityが保護されていないため、Lay offが頻繁に行われることから、目標未達の評価をチームメンバーにした際は生活に関わることのため、Push Back(反発)は日本の場合とは比較になりません。

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評価Processの流れ

基本的な人事プロセスの流れは、日本とアメリカの会社で大きな差はないと思います。期初に目標を立てその目標を合意し、中間レビューで進捗を確認、期末で評価という流れです。

Phase 1: Priory and Goal setting at the organization level

期初に部門としての優先度とGoalを会社の優先度及びGoalに従い決定します。この部門のGoalが各人の目標に繋がります。

Phase 2: Establishing Performance and Development Goals

各人が期初の目標(PerformanceとDevelopment Goal)を立て、Discussionを行い、合意を得るPhaseです。期初の目標に対して、チームメンバーには、あまり多くの項目をリスト化させていません。主要なものを2, 3個リスト化し、それに対して期末に期待するアウトプットを決めます。なぜなら、年間を通じて新しいテーマやプロジェクトが出てくるからです。Mid YearでUpdateすることを予測して、あまり細かいProjectやThemeについてはここではリスト化しません。また、目標設定に際して重要なのは、曖昧な目標は設定せず、可能な限り成果を数値化し期限を明確にすることです。私の部署はSalesではないので、数字化することが難しい目標もありますが、数字化しないとYear-Endの際にFairに評価をすることが難しくなります。目標に達成できなかったチームメンバーに対する理由付けとしても、この目標を明確に数字化することは重要なポイントです。

Phase 3. Ongoing Check-ins Regarding Performance and Development

中間レビューでDiscussion を行い進捗の確認と、何かしら新しいProjectなどがあった場合にはUpdateを行います。私の方針として、チームにはある程度のFlexibilityを求めていますので、期初に無いProjectであっても前向きに追加業務を受けてくれるようにお願いしています。当然、ManagerとしてそのProjectをお願いする前に、Resourceの計算などを行い、Acceptableだと確認したうえで、チームメンバーにお願いします。Resource的に無理だと判断した場合には、Contractorを雇うことやほかのチームにお願いするなどの策を考え、上の上司に提案します。アメリカでは、日本以上に「上司の命令は絶対」という認識が強いため、私の経験上、新しいProjectの追加やAdditionalな業務についてPush Back(反発)されたという経験はありません。だからと言って、無理なお願いやチームメンバーのPrivateを壊してまで仕事を押しつけすることはManagerとしての資質を疑問視されますので、メンバーと話し合い、相互理解の上、仕事のAssignをすることが重要です。

Phase 4‐1. Performance Evaluation

人を評価するときには、公平性を意識することは重要です。特にアメリカの場合、理にかなっていない評価をすると、Discrimination (差別)だと認識される恐れもあるため、期初に立てた目標に対して、Fairに評価を行います。よく勘違いしている人がいますが、アメリカは基本的に結果主義でプロセスは重要視しないということをいう人がいます。たしかに、 結果が第一優先でプロセスが第一優先ではないのは間違いありませんが、 少なくとも私の会社ではプロセスも考慮に入れます。それは例えば、目標は未達ではあったが、目標がChallengeで高く、またそれに対して普段以上の努力とLeadershipを年間を通して示していた場合、仮に目標が未達であっても、Rationale(説明)を加えて総合的に評価が下がらないように評価をします。部門にもよるとは思いますが、プロセスをまったく考慮しないということは多くの会社では無いと思います。

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通常、目標を上回る成果、または目標どおりの成果という評価をするメンバーにする場合、メンバーから大きな反発はありませんが、問題は、その人が目標に対する成果を達成できずに、Managerとしてその人の評価を下げる場合の対応です。アメリカでは2年続けて目標を下回る(目標未達)評価の場合、Lay offの可能性が高まります。ここは日本と大きく違うところです。アメリカではJob securityが日本ほど保護されていないのです。したがって、未達評価をしたメンバーからの反発は非常に大きいものがあります。時に感情的になりますし、未達に対する理由(というかほぼExcuse)を発言してなんとか未達評価を回避しようとします。もちろん、その理由について聞きますし、ひとつひとつの理由について納得できるものがあれば受け入れますが、納得できないものについては私もPush Backします。残念ながら大抵の場合は言い訳ですので、その言い訳についてひとつひとつ応答します。感情的にならず、未達に対する理由を明確に伝えることが必要です。これはその人の成長のためというのもありますが、一番は、明確な根拠や説明がないと不当評価として、その人から訴えられる可能性があるからです。この理由から、Year ahead discussionで示したように目標を数値化することが必須なのです。 

Phase 4‐2. Calibration

1次上司の評価が終わったら、部内での同じ職務レベルでの評価調整となります。この評価調整も上司の仕事であり、自分のDirect Reportの評価を”守る”戦いとなります。私の会社では、80%が通常評価、20%が優良評価または未達評価をするようなグランドルールがあります。しかしながら、会社の業績によっては次年度の予算の都合から、未達評価を増やす必要性に迫られる年もあり、この場合、ほかのチームのManagerから、私のTeamに対する評価に対して、その評価についてのChallengeがきます。この際、その評価に対する明確な理由と説明がこの評価調整会議で求められます。逆に、私からも他チームのメンバーに対するChallengeもします。この会議が最も神経を使い、最も長い時間をかけ、最も力を入れる会議でそして最も疲れます。評価会議を行う前に他チームの状況や会社の業績等の情報を事前に把握し、評価会議の戦略を練ることが大切です。

Phase 5. Year End Performance Discussion

最終のPerformanceのRatingについてDiscussionを行い合意を得ます。このRatingによって次年度の昇給やボーナスなどが決定します。

 

絶対にやってはいけないこと

この評価プロセスにおいて絶対にやってはいけないことがあります。

    • 感情的になってしまう:論外です。何を言われても冷静に対処します。
    • 駄目出しばかり。感謝の言葉がない:チームメンバーに対する感謝があれば、感謝の言葉はあれど、駄目出しは必要最低限にするべきです。アメリカ人は特に承認欲求が強いので感謝の言葉がないと、Managerに対する不信感が大きくなります。
    • 理由の説明がない。説明が下手:評価に対する理由の説明はManagerの責務です。英語が足りないとしても相手が納得するまでの説明は必ず必要です。
    • 来季への期待を表現しない:Managerの努めは、チームメンバーの士気を高め、Motivationを上げることです。今期の評価のFocusするのは当然ですが、来季への期待をしっかりと伝えましょう。これには、来季もチームメンバーとして構想しているという安心感と、来季に向けての仕事のMotivationになると思います。

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